Wednesday, February 26, 2014

アメリカの会社を表す「実力主義」は本質を伴うか?

アメリカの会社に就職して2年半強が経ちますが前回の投稿で述べたように、アメリカの企業の悪いところも幾度となく見てきました。それの一つとして、正社員の解雇を簡単にしてしまうということが挙げられます。どのぐらい簡単にかというと、当日通知で正社員の解雇をその当日中にすることができます。つまり何の前触れもなく辞めさせられることがあるということです。実際に私が働いている会社でもそのようなことが何度もありました。

これはAt-Will Employment (http://en.wikipedia.org/wiki/At-will_employment)という契約形態に基づくものです。これは平たく言えば、雇用者はいつでもどのような理由でも被雇用者を解雇でき、被雇用者も同様に離職できる、というものです。そして実際には雇用者側は簡単に従業員を解雇できるのに対し、従業員はそこまで簡単には退職できません(2週間通知が必要になる、通知後はボーナスがもらえなくなる、2週間通知をしなければ未消化の有給休暇の金銭による還元ができなくなる、など)。

先述の「前触れもなく」ということについて言うと、本当に何の前触れもありません。解雇するからには何かしら悪い材料があるわけですが、それに関する忠告、警告、話し合いなどは一切行われません。つまり、状況改善・打開のチャンスを一切与えられずに切られるということです。

更に言えば退職金のようなものも全くありません。政府からの失業手当というものは申請すれば得られるようですが、日本で言うところの退職金は皆無です。

このように社員に対する思いやりのない人情味の欠いた成果至上主義の雇用体系をもった会社はアメリカにたくさんあると思います。

ここでタイトルに関して触れたいと思いますが、日本ではアメリカの企業風土などについて、それを「実力主義」と名付け羨望のまなざしで見ることがよくありますが、この「実力主義」という言葉にどれほど実際性があるかは私は疑問に思っています。なぜなら仮にあらゆる側面で非常に実力がある社員がいたとしても、その都度ころころとかわる経営方針にそぐわなければ解雇されるからです。例えば、とある社員がとあるプロジェクトを受け持っているとします。そのプロジェクトは短期的には収益が出ない、長期的、1年後に成果、収益が出るものとします。始めはそれが承認されプロジェクトが軌道に乗り出します。しかし唐突な経営方針の変化でそのプロジェクトにお金をかけないことが決まります。お金をかけないイコールその社員の給料を払わない、ということになります。一度そのように経営側が決定すれば、その社員を他のプロジェクトにまわすなどという計らいもなく即刻解雇します。このような解雇は一社員の実力で回避できるものではありません。その社員の能力・アイディアがどれだけ優れていても、マーケットの実情・タイミングの問題でどうにもできないことがあります。そのような状況で会社は冷たくも数字を優先させた経営に基づきその社員を切ります。これはもはや実力主義ではありません。「経営主義」、「経営者主義」ではないでしょうか。

アメリカでは一つの会社における人の出入りは激しいです。これは解雇よりも、社員の転職による退職が多いからです(入社後の昇給の確証が全くなく、社内での出世もまれですので転職がそれらの打開策、ということが理由です)。人の出入りが激しいということは中途採用が盛んであるということですので(むしろ中途採用が基本です)、解雇後も日本に比べれば再就職は楽でしょう。とは言え、年齢が上がるに連れてその難易度もあがるでしょうし、一筋縄では決していかないものだと思います。

弱肉強食の側面が強いアメリカ企業・・・果たしてそれが正しいやり方なのでしょうか。私は今の自分の会社しかこちらでは経験していませんが、むしろ日本の企業の方がよいという側面もたくさんあると思います。

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